日本、「チバニアン」で世界標準の一翼を担う 地質学の“物差し”へ

「チバニアン」のもとになった千葉県市原市の地層=平成28年12月、千葉県市原市
「チバニアン」のもとになった千葉県市原市の地層=平成28年12月、千葉県市原市【拡大】

 地球の歴史をひもとく地質年代に日本の名前が初めて刻まれることが確実になった。欧州を中心に発展してきた地質学で、日本が一つの時代区分の世界標準を担う画期的な出来事だ。

 ジュラ紀に繁栄した恐竜が白亜紀末に絶滅したように、地質年代は地球の生物の歩みを理解する上で欠かせない。過去の気候を探り、将来を予測する重要な手掛かりにもなる。その基準地は「地質学のメートル原器」と呼ばれ、世界各地の地層の年代決定などで物差しの役割を果たす。

 チバニアンと命名される見込みとなった約77万~12万6千年前の年代の初期は温暖な間氷期で、現在の地球の気候とよく似ている。この時期は今後の気候変動や温暖化の影響を探る上で注目されており、日本が世界の研究の中心地となる意義は大きい。

 日本の地質学は、昭和4年に京都帝国大の松山基範教授が地磁気の逆転を初めて発見する世界的な業績を挙げた。逆転の痕跡を海底で調べることで、地震を起こす海洋プレート(岩板)の移動が後に裏付けられたことでも知られる。

 地球で最後に起きた約77万年前の地磁気の逆転期は、松山氏をたたえる名称で呼ばれている。くしくもこの時期に始まる地質年代で、日本初の命名が実現する見通しとなった。

 新元素「ニホニウム」の発見やノーベル賞の受賞で存在感が高まる日本の基礎科学。今回の成果は、低下が懸念される地学への関心を呼び覚ます契機としても期待されそうだ。