「事件契機のSNS規制はやめた方がいい」「SNSは逃げ場」、NPO法人代表が環境整備を訴え (2/2ページ)

若者が心の闇を共有し、自殺を思いとどまれるような環境整備が必要と訴えるBONDプロジェクトの橘ジュン代表
若者が心の闇を共有し、自殺を思いとどまれるような環境整備が必要と訴えるBONDプロジェクトの橘ジュン代表【拡大】

 パトロールが重要

 --でも、白石隆浩容疑者のようなSNSユーザーへの対応は必要ではないか

 「白石容疑者のように、SNSで悩みをつぶやく女性にわなを仕掛けるぐらいの下心があるユーザーの中にはレスポンスが早い人が目立つ。彼らの回答の早さには、私たちも正直言ってかなわない。あのような人物から若者を守るためには、白石容疑者やSNSで女性にわなを仕掛けるのはどういう人物かを検証し、SNSパトロールのようなことを行うことが重要だと思う」

 --では、若者にとって必要なものは何か

 「今、私が必要だと思うのは、若者が安心して死にたいという気持ちを吐き出せる『安全な場』をつくること。そして、そこに集まった若者が抱く苦しみに共感できる経験者や、同じ思いを抱きながらも生きる希望を捨てずにいる当事者が寄り添うことができればなおいい。死にたい気持ちが高まっている若者が一度立ち止まり、自暴自棄にならずにすむ場所が求められているのではないか」

(植木裕香子、写真も)