ダビンチ「幻の作品」、史上最高508億円で落札 長年不明のキリスト絵画

ダビンチが描いた油絵「サルバトール・ムンディ」(ロイター)
ダビンチが描いた油絵「サルバトール・ムンディ」(ロイター)【拡大】

 イタリア・ルネサンス期の巨匠レオナルド・ダビンチがキリストを描いた油絵が15日午後(日本時間16日午前)、米ニューヨークで競売に掛けられ、手数料と合わせ約4億5千万ドル(約508億円)で落札された。

 主催した競売大手クリスティーズによると、美術品としては史上最高の落札額。20枚もない現存するダビンチの絵画のうち唯一の個人所有で、長年行方不明になっていたため「幻の作品」として注目を集めていた。

 クリスティーズは落札価格を1億ドル前後と予想していた。

 油絵「サルバトール・ムンディ」(「救世主」、縦約65センチ、横約45センチ)は1500年ごろに制作された。青い服をまとって右手を軽く上げ、左手に水晶玉を持ったキリストの上半身が描かれている。

 同社によると、17世紀に英国王チャールズ1世が所有していたが、その後、所在が分からなくなった。2005年に再び存在が確認されてダビンチの作品と鑑定され、11年にロンドンのナショナルギャラリーで展示され大きな話題となった。この作品を除くダビンチの絵画はいずれも各地の美術館に所蔵されている。

 ダビンチは1452年にイタリアで生まれ、絵画や彫刻から都市計画まで多方面で才能を発揮した。代表作に「モナリザ」「最後の晩餐」がある。(共同)