ゲリラ豪雨や大型台風による浸水被害などが全国各地で相次ぐ中、新潟県新潟市はベンチャー企業とタッグを組み、ICT(情報通信技術)を活用した新たな防災プロジェクトに乗り出した。リアルタイムで水位を計測できるセンサーを道路の排水溝に設置し、冠水状況を迅速に把握することで、降雨による被害を最小限にとどめるのがねらい。篠田昭市長は「市民生活の安心、安全につながり、国家戦略特区の恩恵を市民にも実感してもらえる」と期待感を示している。
農業の国家戦略特区に指定されている同市では、農業の効率化やコメの品質向上を図るため、通信機能付きのセンサーで水位を計測して、水田を管理する実験を平成27年から行ってきた。
この技術を防災にも生かそうと、今年9月中旬から冠水しやすい西区内の道路の排水溝計4カ所に、同じセンサーを設置し水位を計測している。IT(情報技術)農業ベンチャーのベジタリア(東京都渋谷区)がセンサーを提供し、水位農業用システムを手掛けるウォーターセル(新潟市中央区)がメンテナンスを担う。市は降雨時のデータを収集する。