【水と共生(とも)に】エジプトとエチオピア“水戦争”再燃 (1/4ページ)

2015年3月にナイル川からの水の共有に関する合意に署名したエジプト、スーダン両国首脳ら=スーダン・ハルツーム(AP)
2015年3月にナイル川からの水の共有に関する合意に署名したエジプト、スーダン両国首脳ら=スーダン・ハルツーム(AP)【拡大】

  • 緑に生い茂った木々の横を流れるナイル川。古代からエジプトはこの川によって繁栄を享受してきた=4月、カイロ(AP)

 エジプトとエチオピアによる“水戦争”が再燃している。エチオピアはナイル川上流にアフリカ最大のダムを建設しており、今年中に完成の予定だ。貯水を始めると川の水位が大きく下がり、経済に大きな影響を与えると流域諸国から不安と怒りの声が上がっている。ひときわ怒りをあらわにしているのがエジプトである。「水なくして、国家なし」はいまや世界の常識。特にエジプトは「ナイルのたまもの」とも言われている。今回は、国際河川をめぐる国家間の水争いを紹介する。

 ◆ナイル川の源流争い

 ナイル川はアフリカ大陸東北部の10カ国を流域に持つ、世界最長級の国際河川である。長さは6650キロメートル、流域面積は287万平方キロメートルで、地中海に注いでいる。流域国は下流から、エジプト、スーダン、エリトリア、エチオピア、ウガンダ、ケニア、タンザニア、コンゴ、ルワンダ、ブルンジだが、ナイル川の源流についてはいまだに論争が続いている。一般的には、タンザニア、ケニア、ウガンダの3カ国にまたがるアフリカ最大の湖、ビクトリア湖(6万8800平方キロメートル、海抜1134メートル)が源流とされるが、そのビクトリア湖に流れ込んでいる最大河川はルワンダを源流としている。そのルワンダも上流国のブルンジと源流争いをしている。

 ナイル川は、エチオピアから流れる青ナイルと、ビクトリア湖周辺から流れるとされる白ナイルからなり、スーダンで合流してエジプトに流れ込む。エチオピアは、ナイル川のほとんどの水量を支えているのは青ナイルで、その源流は同国のタナ湖(3000平方キロメートル)と主張している。