衛星「みちびき」で稲刈りロボット 京大が開発「昼食を食べている間に刈り取り…」

無人自動ロボットコンバインの走行実験=22日午後、京都府木津川市
無人自動ロボットコンバインの走行実験=22日午後、京都府木津川市【拡大】

 準天頂衛星「みちびき」の位置情報を利用し、自動で稲を刈り取る技術を実用化しようと、京都大の飯田訓久教授(農業機械学)らのチームが開発した無人自動ロボットコンバインの走行実験が22日、京都府木津川市の農場で公開された。

 これまで米国が運用する衛星利用測位システム(GPS)などの情報を使った農機はあったが、高精度な位置情報を得るには一定の距離ごとに高価なアンテナなどを建てる必要があった。今年10月までに日本が打ち上げたみちびき1~4号機を利用すれば、誤差の小さな位置情報が得られるためアンテナが不要で、コスト削減が期待できる。

 実験では、ロボットのコンバインが受信機で位置情報を把握し、前進や方向転換を自動で行い、約300メートル走った。実験では実施されなかったが、稲の刈り取り作業も無人でできる。

 飯田教授は「昼食を食べている間に刈り取りができれば、時間の使い方が変わるのではないか。農家の高齢化対策にもなる」と話している。

 みちびきのシステムを利用したロボット農機としては他にも、トラクターの開発を北海道大などが行っている。