もんじゅ 福井県が振興策了承 廃炉措置手続き開始へ

高速増殖原型炉もんじゅ=福井県敦賀市
高速増殖原型炉もんじゅ=福井県敦賀市【拡大】

 廃炉が決まっている高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について政府は22日、廃炉交付金の拡充や雇用の維持など、廃炉で地元経済に悪影響が出ないようにするための地域振興策を、福井県の西川一誠知事らに伝えた。

 西川知事は「政府の責任ある対応をいただいた」として、廃止措置の手続き開始を了承。もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構は近く地元と廃炉協定を結び、具体的な手順を定めた廃止措置計画を原子力規制委員会に提出する。

 振興策は、関係閣僚らが地元側と意見交換する関連協議会で伝えた。地元が求めていた、もんじゅに関わる約千人の雇用確保や地元経済への影響を緩和するための交付金の増額について、林芳正文部科学相は「当面10年間程度は千人の雇用を維持する。交付金制度も拡充に向けて取り組みを進めていく」と述べた。

 跡地に新設する試験研究炉の具体的な設計を平成34年度に始めることも盛り込んだ。ただ、北陸新幹線の敦賀-新大阪間の早期整備や舞鶴若狭自動車道の4車線化は「検討を進める」などとするにとどめた。