相撲協会は「世間知らずの集団」 日馬富士問題で分かった無能ぶり (2/3ページ)

21日夜、福岡空港に到着した横綱・日馬富士(仲道裕司撮影)
21日夜、福岡空港に到着した横綱・日馬富士(仲道裕司撮影)【拡大】

 大抵の場合「うみを出し切り」と言った場合、うみは出し切れない。単なる「一生懸命頑張ります」程度の言葉を大袈裟に言っただけである。うみを出し切るのであれば、強かった力士が要職に就き、とかく派閥が生まれがちな協会の体質を完全に変えるしかないのだ。これまでにも何度も不祥事を起こしてきた日本相撲協会だが、そもそも「謝ることが下手すぎる」側面がある。上記、八角、武蔵川、放駒理事長の発言についてはどこか他人事感が漂う。しかも、時津風部屋で弟子が暴行され死んだ際も「かわいがり」とされた。この事件の際に「ビール瓶で殴った」という事実があるだけに、今回の件では「ビール瓶」で殴ったことだけは何としても避けたいという「論点そこかよ!」的な証言が出てくるのもモヤモヤする。

 あまつさえ、今回は貴乃花を処分・排除するかのような方針は、まったくもってして世間の空気とはかけ離れた方針だ。暴行があったのであれば、警察に通報するのは普通のことだろう。だが、協会は「なぜ、外にまず漏らすんだ……。内輪で対処すりゃいいのに、貴乃花は余計なことをしおって……」という態度を取った。

◆相撲協会は「世間知らずの集団」

 もう、敢えて言ってしまえば相撲協会のお偉いさん方は世間知らずの集団なのである。しかも謝った経験はあまりない。理事になる親方は、現役時代に卓越した成績を残した人が多い。それこそ、横綱・大関・関脇・小結経験者がズラリと並ぶ。以下、相撲協会公式サイトに掲載された名前の順番だ。これが序列となっているのだろうが、前頭の2人はドン尻の2人である。

 八角(元横綱・北勝海)、尾車(元大関・琴風)、貴乃花(元横綱・貴乃花)、鏡山(元関脇・多賀竜)、伊勢ヶ濱(元横綱・旭富士)、二所ノ関(元大関・若嶋津)、境川(元小結・両国)、春日野(元関脇・栃乃和歌)、出羽海(元前頭二枚目・小城乃花)、山響(元前頭筆頭・巌雄)。副理事や役員待遇委員、委員、主任にも最低でも前頭の上位にいた人々が並ぶ。

 本来公益法人たる組織を運営するにあたり、「相撲の強さ」と「実務能力」は分けて考えるべきである。相撲で強ければ強いほど、部屋では神様のように扱われ、タニマチ(力士をひいきしてくれる客や後援者)からはチヤホヤされ、稽古と取組以外では甘やかされた20代を過ごすこととなる。30代で引退すれば、良い成績を残せなかった元力士がちゃんこ屋経営やプロレスラー転身など自らの新たな道を切り拓いていかなくてはならない中、上位力士は協会に残り、要職に就く。

 結局、相撲が強かった人間というものは、日本相撲協会というあまりにも特殊すぎる組織で再びお山の大将になり、一般論が通用しない人生を送ることとなるのだ。過去の親方連中の謝罪風会見や、不祥事時のコメントを見ても、我々のような一般的労働者からすれば「うわ、こいつ、無能さが滲み出てる……。こんな仕事相手がいなくてよかった……」と思うレベルの者が多い。

会見でふてくされた態度