COP23・会場トピックス 米離脱表明後初、結束維持を確認(2-2) (1/3ページ)

閣僚級会合で演説するフランスのマクロン大統領
閣僚級会合で演説するフランスのマクロン大統領【拡大】

  • 温暖化対策に関する米政権の記者会見中、大声で歌い抗議する若者ら
  • 会見する英国のペリー気候変動・産業担当相(左)。右はカナダのマッケナ環境・気候変動相

 ■「欧州諸国が米国の代わりを務める」 マクロン仏大統領が貢献拡大表明

 フランスのマクロン大統領が閣僚級会合で演説。地球温暖化対策に消極的なトランプ米政権に懸念を示し「欧州諸国が力を合わせて米国の代わりを務めることを提案する」と述べ、不足が見込まれる資金面の貢献を拡大すると表明した。温暖化対策のパリ協定を2年前に議長国としてまとめた経験を背景に、世界をリードする姿勢を鮮明にした。

 マクロン氏は、温暖化の科学データを提供し、各国の政策決定に不可欠な「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の活動が危機にひんしていると強調。「必要な資金は請け合う」と述べ、会場から大きな拍手を浴びた。また、同氏は、二酸化炭素の排出に課金して削減を促す取り組みを、欧州域内でさらに進めるとした上で「温暖化対策に消極的な国からの輸入品に国境税を課す必要がある」と強力な政策の導入に意欲を示した。

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 ■米対策に若者グループ抗議

 トランプ米政権は、今後、石炭や天然ガスなど化石燃料を燃やす際の二酸化炭素(CO2)排出を、エネルギー効率の向上やCO2の回収・貯留によって削減することで対策に取り組む方針を説明した。米政府関係者らが説明した会見では、聴衆を装って会場に入っていた若者グループが「石炭マネーが世界を台無しにする」などと歌って大声で抗議。メンバーは数十人で聴衆の大半を占めたため、会見が10分近く中断を余儀なくされた。

 ホワイトハウスで温暖化問題の大統領顧問を務めるデービッド・バンクス氏や米国のエネルギー関連企業の団体、石炭企業の幹部らは座ったまま聴いていた。