東京パラリンピック開催まで1000日 運動習慣、経済負担…特有の壁も

 日本パラリンピック委員会(JPC)は2020年東京大会でメダルランキング世界7位という目標を掲げる。想定する金メダル数は22個。24個のメダルを獲得しながら、金ゼロに終わった昨年のリオデジャネイロ大会から大幅に伸ばす必要があるが、強化面で特有の壁にぶつかっている。

 これまで日本の教育現場では障害者がスポーツに取り組む土壌は希薄だった。日本パラリンピアンズ協会の河合純一会長は「やり方はあるのに、学校の体育の授業に参加させず見学させるなど、日常的な運動環境がない」と指摘する。

 その結果、障害者の多くが運動習慣に乏しく、自宅に引きこもりがちな環境が生まれた。子供用のスポーツ義足の製作など、障害があっても体を動かす楽しみを知ってもらう取り組みは最近始まったばかりだ。

 軍隊を持つ国では、負傷兵の社会復帰にパラ競技を活用している。元軍人の選手は既に優れた体力、精神力を備えていることが多く、前回大会では、イラク戦争やアフガン戦争で負傷した米軍出身の選手が活躍した。

 タイは軍と病院が連携し、リオ大会では6個の金メダルを獲得した。同国最大の軍病院に勤務するコラコット・チャラコーン医師は「スポーツは機能を失った人の新たな生きる目標となる」と説明した。パラリンピックの起源となったのは、1948年に英国で開かれた第二次世界大戦の負傷兵によるアーチェリー大会で、現在もその流れが根底にある。

 JPCや各競技団体は、選手への金銭的なサポートや、海外の強豪を国内大会に招待するなど強化のために試行錯誤を続ける。パラスポーツは特殊な競技用品を使用することが多い上に、障害に応じて介助者も必要で経済的負担が大きくなる傾向がある。

 昨年度からは五輪選手同様の年間240万円の「アスリート助成」が始まった。JPCの大槻洋也強化委員長は「やっと(五輪と同じ)スポーツとして見られるようになってきた。生き残るには、強くなる必要がある。東京でそれが問われる」と、強化へ決意を述べた。