水陸両用、新種の肉食恐竜の化石を発見 二本足で歩き、泳いで魚を食べていた?

二本足で陸を歩くだけでなく、水中を泳いで魚を捕らえていたとみられる新種の肉食恐竜の想像図(ルーカス・パンザリン氏提供)
二本足で陸を歩くだけでなく、水中を泳いで魚を捕らえていたとみられる新種の肉食恐竜の想像図(ルーカス・パンザリン氏提供)【拡大】

 白鳥のように長い首と、ペンギンのひれに似た小さな翼を持つ新種の肉食恐竜の化石を見つけたと、欧州やモンゴルの研究チームが7日までに英科学誌ネイチャーに発表した。

 二本足で陸を歩くだけでなく、水中を泳いで魚を捕らえて食べていたとみられる。“水陸両用”のユニークな姿に、チームの研究者は「最初に化石を見たときは本物とは思えなかった」と驚いている。

 化石はモンゴルの約7500万年前の白亜紀後期の地層で見つかったが、盗まれて国外に持ち出されていた。返却された化石をエックス線で調べると、鋭いかぎ爪を持つ肉食恐竜ベロキラプトルに似た特徴と、ワニや水鳥など水の生活に適した生物の特徴が混在していた。体長は70センチ前後とみられる。

 国立科学博物館の真鍋真・標本資料センター長は「水鳥のように泳いで餌を捕る恐竜は初めてだ」と話している。