元横綱の日馬富士、傷害の疑いで書類送検 貴ノ岩へ暴行、鳥取県警

 鳥取市内のラウンジで10月下旬、平幕貴ノ岩関(27)を素手やカラオケのリモコンで殴り、頭部にけがを負わせたとして、鳥取県警は11日、傷害容疑で元横綱日馬富士関(33)=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ、モンゴル出身=を書類送検した。起訴を求める「厳重処分」の意見を付けたとみられる。

 元横綱は暴行事件の責任を取って11月29日に引退。伊勢ケ浜部屋に所属していた。事件を巡っては、日本相撲協会の危機管理委員会も調査しており、協会は20日に臨時の横綱審議委員会と理事会を開き、危機管理委の最終報告を受ける方針。

 捜査関係者によると、元横綱は秋巡業中の10月下旬、ラウンジの個室で酒を飲んだ上、貴ノ岩関=本名アディヤ・バーサンドルジ、モンゴル出身、貴乃花部屋=を殴り、頭部に裂傷などを負わせた疑いが持たれている。

 元横綱は書類送検前の任意の事情聴取で、暴行の事実を認めている。横綱白鵬関が貴ノ岩関の態度を注意していた際、貴ノ岩関がスマートフォンを操作しようとしたことに腹を立てたという。

 個室では白鵬関や横綱鶴竜関、関脇照ノ富士関のモンゴル人力士、石浦関らが同席していた。

 貴ノ岩関は10月29日、県警に被害届を提出。「頭蓋底骨折など疑いで全治2週間程度」と診断され、一時入院した。

 元横綱は引退会見で「弟弟子の礼儀がなっていないときに直し、正し、教えることが先輩の義務。彼を傷つけ、世間を騒がせてしまった」と語っていた。