新聞広告でがんを公表し、延命治療を受けないと明らかにしたコマツの安崎暁元社長(80)が11日、生前葬に当たる「感謝の会」を東京都内のホテルで開いた。安崎氏は終了後に記者会見し「人生で巡り合えた人にありがとうと言えたことに満足している」と語った。
感謝の会には、コマツOBや現役社員、学生時代の友人など約千人が駆け付けた。安崎氏は「葬式は本人がその場に居ないのでぴんとこないと感じた」と開催理由を説明。ゆかりある徳島の阿波おどりが披露されたのは「湿っぽくならないよう少しでも楽しんでもらおうと思った」と話した。
延命治療を受けない理由については「十分に人生は楽しんできた。じたばたするのは性に合わないと思った」と述べた。
安崎氏は11月の新聞広告で、10月上旬にがんが見つかったが、転移が多く手術はできないと診断されたと明かし「元気なうちに感謝の気持ちをお伝えしたい」と参加を呼び掛けていた。1995年から2001年までコマツ社長。会長、相談役を歴任し、国家公安委員会委員も務めた。