大林組リニア入札不正 掘削起点の「非常口」工事に固執、トンネル受注確約か (1/2ページ)

リニア中央新幹線の非常口新設工事現場=11日、名古屋市
リニア中央新幹線の非常口新設工事現場=11日、名古屋市【拡大】

 リニア中央新幹線建設工事の入札不正事件で、ゼネコン大手の「大林組」(東京)が、都市部の大深度地下トンネル掘削工事の受注が事実上確約されるため、掘削起点の非常口新設工事に固執し受注工作をした疑いのあることが13日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は受注に至る経緯を詳しく調べている。

 リニア中央新幹線の首都圏、中京圏の都市部計55キロの区間は、公共物を建設しても地上の権利が及ばない大深度地下トンネル(地下40メートル以深)で建設される。この区間は「シールドマシン」と呼ばれる円筒状の大型掘削機で掘り進めるシールド工法が採用された。

 JR東海によると、非常口は約5キロ間隔で設置される予定だが、資材搬入口を兼ね、シールドマシンの掘削起点となる非常口は都市部で計6カ所しかない。大林組の共同企業体(JV)はこのうち、不正の疑いがある「名城非常口」(名古屋市)など2カ所の新設工事を受注した。

 関係者によると、名城非常口の総工費は約90億円と事業規模は他のリニア関連工事と比べ大きくないが、シールドマシンの掘削起点となっているため、この非常口の工事を受注すれば、未契約である事業規模が大きい前後の地下トンネル掘削工事も事実上、手中に収めることができるという。

 大林組はトンネル工事受注に向け、三菱重工メカトロシステムズ(当時)と共同で、掘削速度を25%向上させ、消費電力量も3割削減できる最先端のシールドマシンも開発したという。

「名城非常口は掘削起点だから、絶対に落とせない工事だった」