ボタン電池誤飲5年で1000件、一部で健康被害も 慈恵医大、初の実態調査

 子供がボタン電池を誤ってのみ込む事故が、平成23~27年の5年間に全国で少なくとも千件近くに上り、排出されないまま消化管に穴が開くなどの健康被害が確認されていたことが16日、東京慈恵医大と一般社団法人「電池工業会」(東京)による初の実態調査で分かった。おもちゃや時計、リモコンなど多くの製品に使われており、調査チームは「電池の交換時など、子どもの手が届く場所に置きっぱなしにしないで」と呼び掛けている。

 調査は今年1月、日本小児外科学会などを通じて202カ所の医療機関に質問を送り、116カ所(57.4%)から回答を得た。

 ボタン電池には、直径2センチ前後の「コイン形」と、1センチ前後の「ボタン形」がある。

 調査結果によると、23年からの5年間で、誤飲により小児外科や小児救急を受診したのは計939件。自然に排せつされたケース以外に、食道や胃、十二指腸などにとどまり、食道が傷つくといった健康被害が15件(うちコイン形は14件)あった。患者の年代は不明。