リニア4社談合 受注割り振る表作成 得意技術・工期を考慮

 リニア中央新幹線建設工事をめぐる談合事件で、ゼネコン大手4社がそれぞれ得意とする技術や工期に応じて割り振られた「受注予定表」を作成し、ほぼその通りに受注していたことが20日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部と公正取引委員会はこの受注表を押収。「スーパーゼネコン」と呼ばれる4社による受注調整を裏付ける証拠とみて詳しく調べている。

 ゼネコン大手の大林組は、自社と大成建設、鹿島建設、清水建設(いずれも東京)の4社で不正な受注調整をしていたと認め、独占禁止法の課徴金減免制度(リーニエンシー)に基づき公取委に違反を申告。

 特捜部などは18、19の両日、4社が事前に落札業者を決める談合をしていた疑いがあるとして独禁法違反(不当な取引制限)容疑で4社の本社などを捜索した。

 関係者によると、4社の土木営業本部などの幹部らは、少なくとも3年前に東京(品川)-名古屋間のリニア工事実施計画(土木構造物)が国に認可される前から受注調整に向けた協議を重ねていたという。

 具体的には山岳トンネル工事は大成、鹿島、大都市の大深度地下トンネル工事は大林組といった各社の得意とする技術や、他の大型工事と重複しないよう工期を考慮し、工事別に受注企業を割り振った受注表を作成していたという。

 実際、最難関の南アルプストンネル3工区は大成、鹿島が分け合い、大深度地下トンネル工事の受注につながるという名城非常口は大林組が受注した。