電子レンジでプラチナ回収 山形大チーム 27時間作業が8分に

 山形大の遠藤昌敏准教授(分析化学・環境化学)らの研究チームが、家庭用電子レンジを使い、自動車の排ガス浄化装置からプラチナなどのレアメタル(希少金属)を回収するのに成功した。実用化できれば廃棄自動車のリサイクルが容易になり、新たな「都市鉱山」としての期待も高まる。

 セラミックを主体とする排ガス浄化装置はこれまで、一度粉砕し、溶解や製錬などの工程を経てプラチナ類を回収してきた。だが時間もコストもかかるため、より簡単な方法が検討されてきた。

 加熱の手段として手軽な電子レンジだが、金属にマイクロ波を当てると火花が飛び散るなど危険を伴う。研究チームは貴金属を溶かす強酸性の液体を浄化装置に注入するなどした上で、500ワットの電子レンジにかけるとプラチナ類が素早く溶け、安全に取り出せることを確認した。

 薬品を入れさらに数十秒レンジにかけると、液体に溶けたプラチナを粉末として回収できることも分かった。約27時間を要した作業が約8分に短縮。車2台分の装置から回収できるプラチナは指輪1個分という。

 遠藤准教授は「既存の装置を使えるので、運送コストもかけず、車の解体現場近くでプラチナ類を回収できる」と話す。

 全国では毎年300万台を超える車がリサイクルされる。研究に協力した山形県自動車販売店リサイクルセンターの遠藤栄次郎社長も「車のリサイクルは販売者に社会的責任がある。持続可能な社会実現のためにも研究を前進させたい」と意気込んでおり、事業化を検討中だ。