家庭向け都市ガス販売自由化 新規参入と大手、顧客争奪が激化 (1/2ページ)

ガスの販売をPRするチラシを配る関西電力のスタッフ=3月、神戸市
ガスの販売をPRするチラシを配る関西電力のスタッフ=3月、神戸市【拡大】

 電力に続いて都市ガスの家庭向け販売が4月に自由化され、エネルギー分野で顧客争奪の競争が熱を帯びてきた。これまで大手電力、ガス会社が地域ごとに独占してきた市場に、異業種からの新規参入や別の大手が攻め込む動きがあった。料金メニューが多様になり利便性は高まったが、恩恵を受けたのは都市圏が中心で、今後多くの地域に広がるかが焦点だ。

 ガス市場で激戦となったのは近畿だった。関西電力が「関電ガス」と銘打って販売を始め、副社長が街頭でPRするなど力を入れ、目標の20万件を半年で達成した。電気の顧客は大阪ガスに50万件余り奪われており、一矢を報いた形だ。両社とも電気とガスをセットで安くする値下げ競争を繰り広げた。

 ただガスの新規参入は設備の安全対策が障壁となり、全国で50社程度にとどまった。東京電力ホールディングスが新電力などに都市ガスを供給する仕組みを整えており、提携が進むか注目される。

 自由化2年目を迎えた電力ではガスや石油、通信、流通などの業界から400社超が乗り出した。新規参入業者は新電力と呼ばれ、自社製品と電気を組み合わせたプランを用意し、家庭は契約先を自由に選べるようになった。

大手から切り替えた家庭は今年8月までに430万件