光合成に欠かせない硝酸 琵琶湖内の菌による生産量を名古屋大が推定、生態系解明に道

 植物や植物プランクトンの光合成に欠かせない硝酸について、琵琶湖内の菌が作り出す量を推定する手法を開発したと名古屋大の角皆潤教授らの研究チームが22日付の米科学誌電子版に発表した。角皆教授は「他の湖や海にも応用でき、硝酸過多で起きる富栄養化や生態系変化の原因究明につながる」としている。

 硝酸は、河川や雨を通じて湖に流入するほか、湖内の硝化菌という微生物が作り出す「硝化」反応で供給される。

 研究チームは、季節や湖の深さによって変化するため推定が難しかった硝化量を測る手法を確立。琵琶湖では、年間約4万トンの硝酸が生産されていると算出した。河川からの流入量の3倍以上、降水の約20倍に当たることも分かった。

 光合成が活発な夏ほど硝化が盛んなことも判明した。角皆教授は「琵琶湖の生態系が崩れた場合に原因を調べるのにも役立つ」としている。

 推定の方法は、比較的、容易に求められる河川から流入する硝酸を測定。雨で供給される硝酸のみが持つ特徴に着目して湖水を分析することで、雨による量と硝化量を特定できたという。