「アサビ」に「キリソ」…偽ビール券を密輸で中国人を刑事告発

押収された偽造のビール券。「キリン」が「キリソ」になっている=30日午後、小美玉市与沢(丸山将撮影)
押収された偽造のビール券。「キリン」が「キリソ」になっている=30日午後、小美玉市与沢(丸山将撮影)【拡大】

  • 精巧に偽造されたビール券の表裏。裏の記載を拡大すると、「キリン」が「キリソ」になっている=30日午後、小美玉市与沢(丸山将撮影)
  • 中国から茨城空港に持ち込まれた偽造のビール券=30日午後、小美玉市与沢(丸山将撮影)

 茨城空港(茨城県小美玉市与沢)から偽造のビール券を密輸しようとしたとして、横浜税関鹿島税関支署は30日、関税法違反(密輸未遂)などの罪で、中国籍の自営業、チン・リンスゥ被告(54)=偽造有価証券行使罪で起訴=を水戸地検に刑事告発した。同支署によると、同空港での偽造有価証券密輸事件は初めて。

 同支署によると、チン被告は昨年12月12日、共謀して、偽造ビール券1639枚(計約115万7千円相当)を中国から茨城空港に密輸しようとした疑いが持たれている。同支署は認否を明らかにしていない。

 偽造券は精巧に作られているが、裏面に書かれたビールの商品名が「アサヒ」ではなく「アサビ」に、「キリン」ではなく「キリソ」になっている。

 同空港の検査場で同日、税関職員がチン被告のスーツケースなどに入った偽造券を発見。翌13日に石岡署が偽造有価証券行使などの容疑でチン被告を逮捕した。同支署などが入手経路や組織的関与の有無について調べている。