金正恩委員長、無難な人選 五輪代表団長に金永南氏 政治的支障なし

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、韓国での平昌冬季五輪に派遣する代表団の団長に金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長(90)を選んだ。

 韓国大統領府は5日、訪韓する北朝鮮高官としてこれまでで最高位だと評価したが、金永南氏に実権はほとんどないとみられる。

 聯合ニュースは大統領府の複数の当局者の話を基に、文在寅(ムンジェイン)大統領が金永南氏と1対1の会談を行うことを検討していると伝えた。当局者の氏名は明らかにしていない。韓国紙の朝鮮日報は、ペンス米副大統領が韓国政府に対し、9日の開会式出席時に北朝鮮高官と鉢合わせすることのないよう手配を求めたと報じた。ここ数回の五輪で最も政治色の濃い今回の大会の緊張を浮き彫りにしている。

 韓国のメディアや専門家の間では、北朝鮮代表団の団長が崔竜海(チョ・ヨンヘ)労働党副委員長、あるいは金正恩委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)氏になるとの観測があった。崔副委員長と異なり、金永南氏は韓国の制裁対象ではない。与正氏を選べば象徴的となっただろうが、政治的には支障があった。金一族で韓国を訪れる最初の人物が与正氏となるためだ。

 ソウルにある国民大学のアンドレイ・ランコフ教授(歴史学)は「金永南氏の出席は良いサインだ」と指摘。北朝鮮が協力に本気だと示したいと考えている表れであり、同国は緊張緩和を望んでいると分析した。(ブルームバーグ Andy sharp)