ユニチカ豊橋の土地売却 市長に63億円請求命令

 繊維メーカー「ユニチカ」が愛知県豊橋市から無償で譲り受けた土地を売却したのは契約違反だとして、豊橋市の住民130人がユニチカに63億円の損害賠償を支払わせるよう佐原光一市長に求めた訴訟の判決で、名古屋地裁(市原義孝裁判長)は8日、住民側の訴えを認め、市長に全額の請求を命じた。

 譲渡時の契約内容の解釈が争点だった。市原裁判長は「同社が土地使用を自ら放棄した場合は市に返還する義務を負うものと解釈するべきだ」と指摘した。市側は市に土地の所有権はないと主張していたが、市原裁判長は「契約に基づく義務と所有権の帰属との間に関連はない」と判断した。

 判決などによると、豊橋市は昭和26年、市内の国有地をユニチカの前身企業が取得するための費用を負担するとの内容で、同社と契約を結んだ。ユニチカは紡績関連の工場を稼働していたが、経営再建策の一環として平成27年、用地全体の約27万平方メートルを別の企業に63億円で売却した。