「ダークウェブ」介し別の仮想通貨に交換か 巨額流出 資金洗浄の可能性 780万円相当

ネムの資金洗浄のイメージ
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 約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」の流出問題で、ネムを盗み出したとみられる人物が「ダーク(闇)ウェブ」と呼ばれる匿名性の高いインターネット空間を介し、少なくとも約780万円相当のネムを別の仮想通貨に交換した疑いが強いことが8日、情報セキュリティーの専門家への取材で分かった。盗み出したネムの現金化が困難な状況下で、別の通貨に交換することで“資金洗浄”を図った可能性がある。数百万円単位の換金が確認されたのは初とみられる。

 取引記録によると、7日未明、流出したネムの口座の一つから不特定多数の口座に、ビットコインなど他の仮想通貨とネムを交換できるダークウェブサイトのアドレスが記載されたメッセージが送られた。メッセージには「15%off」など割安でネムを交換すると読み取れる記載もあった。

 専門家によると、ダークウェブサイト上のネムの残高記録などから、8日午後8時までで少なくとも約780万円相当のネムが別の通貨に交換された形跡があるという。盗み出した人物との取引に応じた相手がいたとみられる。

 流出したネムは流出先口座から拡散されているが、拡散先の口座は監視されており、監視された口座を通したネムの換金は困難とされている。しかしネム自体は監視されていないため、別の通貨に交換することで、不正なネムを現金化しようとした可能性がある。

 専門家は「資金洗浄ルートが確立されてしまえば、今後も多額のネムの売却が続けられる恐れがある」と警鐘を鳴らしている。

 一方、金融庁が全ての仮想通貨取引所への立ち入り検査を検討していることが8日、分かった。