AIで犯罪発生予測 神奈川県警が実証実験へ

 神奈川県警は、人工知能(AI)を活用して犯罪や事故の発生を予測する新システム導入に向け、過去のデータを用いた実証実験を始めると発表した。県の平成30年度当初予算案に、調査費として約4800万円を計上。研究機関や企業と連携し、予測の精度を検証する。県警によると、全国の警察で初の試み。東京五輪・パラリンピック開幕までに試験運用を始め、32年度末までの本格運用を目指す。

 県警が21年から蓄積した事件や事故など約260万件のデータを外部の専門家に提供し、発生を予測するアルゴリズム(計算手法)を開発。27年までのデータを基に、事件事故の起きやすい時間帯や場所をAIに確率付きで予測させ、28年の実際のデータと比較して実効性があるか検証する。

 新システムが構築されれば、予測地点をパトロール順路に組み込むなどして、治安向上や業務の効率化に役立てる。小清水芳則生活安全部長は「1件でも多く犯罪や事故を減少させ、県民の安全・安心の確保につなげたい」と話した。