冬季五輪、なぜ平昌が主会場に? 政治の思惑色濃く 雪質の悪さ致命傷 (3/3ページ)

平昌五輪の開会式で打ち上げられた花火=9日(共同)
平昌五輪の開会式で打ち上げられた花火=9日(共同)【拡大】

 しかし、平均気温はマイナス10度。最北のオリンピック、1994年リレハンメル大会よりもさらに寒い環境ばかりが喧伝(けんでん)されては逆効果である。

 加えてこの地は雪が少ない。今大会も雪不足を補うため、人工降雪機をフル稼働する。雪質の悪さはスノーリゾートとしては致命傷といってもいい。

 「スキーなら日本に行った方がいいんじゃないか」。昨年、当地を駆け足で回ったとき、タクシーの運転手がポツンと言った。地元の人が暮らす地域とホテル群とは隔たりが大きい。

 平昌から軍事境界線まで約80キロ。氷上競技を行う江陵はかつて南北衝突があった土地である。海岸線には今も鉄条網が残る。さまざまな思惑が渦巻き、冬の祭典の幕が開いた。(産経新聞特別記者 佐野慎輔)