EU離脱控え投資拡大要請 英首相 トヨタ、日立幹部らと会談

日立や日産、トヨタといった日本企業の幹部と会談するメイ首相(右中央)=8日、ロンドン(AP、代表撮影)
日立や日産、トヨタといった日本企業の幹部と会談するメイ首相(右中央)=8日、ロンドン(AP、代表撮影)【拡大】

 英国のメイ首相は8日、日立製作所や日産自動車、トヨタ自動車といった日本企業の幹部とロンドンの首相官邸で会談した。2019年3月の欧州連合(EU)離脱を控え、持続的な経済成長を目指して投資や雇用の拡大を要請するのが狙いだ。

 会談にはハモンド財務相とフォックス国際貿易相も同席した。首相官邸は自動車や金融、エネルギーなどの関連企業が参加すると説明しているが、具体的な企業は明らかにしていない。

 英国は最大の貿易先であるEUと離脱後の自由貿易協定(FTA)の交渉をまだ始めておらず、先行き不透明感を理由に投資判断を先送りする企業が相次いでいる。英政府は有力な日本企業に対し離脱方針や産業支援策を説明することで、不安を解消したい考えだ。

 日本の16年の対英投資額は約4兆2500億円で過去最高となり、国別の対外投資は米国に次ぐ2位。英国に進出する日本企業は約1000社に上る。(ロンドン 共同)