【スポーツbiz】平昌五輪、なぜ“そんな時間”に競技本番? テレビマネーに左右される選手たち (1/3ページ)

スキージャンプ・男子個人ノーマルヒルで21位に終わった葛西紀明。強風と寒さに思わず悲鳴を上げた=10日、韓国・平昌のアルペンシア・ジャンプセンター
スキージャンプ・男子個人ノーマルヒルで21位に終わった葛西紀明。強風と寒さに思わず悲鳴を上げた=10日、韓国・平昌のアルペンシア・ジャンプセンター【拡大】

 いてつく空気、刺すような強風。平昌五輪で10日夜に行われたスキージャンプ・男子個人ノーマルヒルは自然の脅威に翻弄された。

 風は方向が定まらず、優勝候補のスイス、シモン・アマンが幾度もスタートをやめて厚い毛布で身体を覆うシーンがテレビに大写しされた。オリンピック以外の大会なら、競技そのものが中止されていただろう。

 選手への押しつけ

 冬のオリンピックは、しばしば自然との闘いが醍醐味(だいごみ)だといわれる。しかし、それも限度がある。選手に影響がでるようでは本末転倒ではないか。

 競技開始は午後9時35分。競技本番を迎える時間ではない。なぜ、こんな時間に始めなければならないのか。

 そこにテレビマネーという厄介な存在の介在がある。

 ジャンプが盛んなのはヨーロッパ。注目度は高い。ならばヨーロッパでの視聴に適した時間から競技を始めればいい。平昌の午後9時35分は、ヨーロッパ中央部なら午後1時35分にあたる。土曜日の昼下がりでテレビ観戦にちょうどいい。視聴率を上げ、テレビ局とスポンサーを潤すことになろう。

 同じように、ヨーロッパで人気が高いスピードスケートも午後8時からの競技開始。普通なら、もう競技が終わっている時間から始まり、その夜の遅い時間帯まで熱戦が続く。ヨーロッパ・シフトである。

迷惑を被ったのは、平昌とは時差のないはずの日本の選手たち