【第27回地球環境大賞】先進的な活動事例 温暖化防止に貢献(2-1)

阿部俊則会長
阿部俊則会長【拡大】

  • 東松島市スマート防災エコタウンの全景。災害公営住宅85戸と周辺の4つの病院や公共施設に地域エネルギー管理システム(CEMS)で最適制御しながら電力を供給している(提供写真)
  • 瓜生道明社長
  • 豊富な地熱資源を活用した八丁原発電所
  • くじゅう九電の森での環境教育活動
  • 佐久間國雄会長
  • 業界に先駆け包装材料などにバイオマス製品をラインアップ
  • 松尾清一総長
  • 建設中のエネルギー変換エレクトロニクス実験施設(完成予想図)
  • 建設中の研究館(完成予想図)

 ■授賞式4月9日(月) 東京・元赤坂明治記念館

 「産業の発展と地球環境との共生」をめざすフジサンケイグループ主催の第27回「地球環境大賞」(特別協力=WWFジャパン、後援=経済産業省、環境省、文部科学省、国土交通省、農林水産省、日本経団連)の受賞者が決まった。温暖化対策の新たな国際的枠組みである「パリ協定」や国連の「SDGs(持続可能な開発目標)」への対応など地球環境問題の解決に産業界が果たす役割が一段と重要性を増す中、今回も多くの企業・団体から先進的な新技術や製品、活動事例が寄せられた。審査委員長の有馬朗人・武蔵学園学園長は「それぞれが地球環境大賞の理念にふさわしい活動成果をあげている。環境に対する真摯(しんし)な取り組みや姿勢が環境問題の解決につながることを期待したい」と講評した。

                  ◇

 □大賞 積水ハウス

 ■日本初マイクログリッドで再生エネを地産地消

 2013年から業界に先駆けて販売を開始したZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)「グリーンファースト ゼロ」の普及に力を入れ、スマートタウンも全国16カ所で展開している。その経験を生かして日本初の環境・防災・地域経済活性化に貢献するまちを実現した。

 宮城県東松島市との共同事業である「東松島市スマート防災エコタウン」は、再生可能エネルギーである太陽光発電の電力を固定価格買い取り制度(FIT)で売らず、自営線のスマートグリッドを用いて街全体に供給するという日本初の地産地消モデルであり、地域新電力の一般社団法人・東松島みらいとし機構(HOPE)を立ち上げ、連携を図ることで雇用を創出するなど地域経済の活性化にも貢献している。地域新電力事業で得た利益は設備投資回収や保守費用に充当するとともに、地域の課題解決や地域活性化に再配分され、地方創成にも一役買っている。

 また、災害などの非常時に電力会社の系統電力が遮断しても、独立した自営線スマートグリッド内で、バイオディーゼル非常用発電機や太陽光発電、大型蓄電池を組み合わせることにより最低3日間は通常の電力供給が可能で、停電が長期にわたる場合でも病院や地域の避難所となる集会所への電力供給を継続。地域の災害対応力と防災力を高め、地域住民の災害リスク低減に寄与する。

                  ◇

 □経済産業大臣賞 九州電力

 ■国産エネルギー有効活用、2030年までに400万キロワット開発

 グループ一体となって国産エネルギーの有効活用や再生可能エネルギーの開発・導入に取り組んでおり、豊富な地熱資源を活用した「地熱発電」や地域との共生を図りながらの「水力発電」を中心に、2030年までに国内外で400万キロワット(現状180万キロワット)の開発を目指している。地熱、水力のほか、発電所跡地を活用したメガソーラー開発や長崎県五島市沖での潮の満ち引きを利用した潮流発電、さらにはバイオマス発電の開発も積極的に進めている。

 2000年から17年間にわたり、野焼き活動を中心とした大分県の「くじゅう坊ガツル湿原一帯における環境保全活動」や「くじゅう九電の森での環境教育」など地域住民と一体となった環境活動にも精力的に取り組んでいる。

                  ◇

 □環境大臣賞 東洋インキSCホールディングス

 ■植物由来の原料使用、印刷物からのCO2排出量を削減

 情報出版や包装の分野で、再生可能な生物由来の有機資源であるバイオマス製品を積極的に開発している。オフセットインキ、グラビアインキ、ラミネート接着剤などのバイオマス製品を業界に先駆けてラインアップし、印刷物や包装材料を通じたサスティナブル社会の実現に貢献している。

 業界トップ企業としての社会的責任を果たすため、同社が提供するすべての植物由来原料使用インキは日本有機資源協会認定のバイオマスマークを取得済み。植物由来の原料使用により情報出版印刷物や包装材料からのCO2排出量の削減効果が期待できるほか、脱石化材料の推進によって資源枯渇の問題にも貢献する。

                  ◇

 □文部科学大臣賞 名古屋大学

 ■省エネ社会の実現へ 高度な人材育成、研究活動を推進

 環境問題の解決のため、持続可能な発展を目指した教育、研究、社会貢献を積極的に進めている。省エネルギー社会の実現を目指す「未来材料・システム研究所」では、世界的に例をみない省エネデバイス研究を通じて21世紀のものづくりを主導する高度な人材の育成に力を入れている。

 また、世界水準のサスティナブルキャンパス実現のため、省エネについては「キャンパスマスタープラン」を策定。CO2削減に関して「2024年度時点で2005年度比30%以上削減」の目標を設定し、その達成に向けて積極的な取り組みを展開している。