品質は保証されていると思っていた 新幹線台車亀裂、背景に「安全神話」の思い込み

のぞみ34号をめぐるトラブルの経緯
のぞみ34号をめぐるトラブルの経緯【拡大】

 台車枠の鋼材が必要以上に削られていたことについて、28日に会見したJR西日本新幹線担当の平野賀久(よしひさ)副社長も「見抜くことはできなかった」と述べ、今後は川崎重工業側と協議しながらチェック体制を強化していく考えを示した。

 JR西によると、川崎重工業製台車の納品を始めた平成19年時点で、製造過程の確認を実施。だが、「品質は保証されているものと思っていた」(来(き)島(じま)達夫社長)とし、その後は、定期的な製造確認などは行わず仕様よりも劣る台車が納品されていたことは見抜けなかったという。

 一方、亀裂は一気に拡大したとみられるが、溶接部近くでは、時期が分からないが、相当に古い傷も確認されていた。こうした傷は昨年2月に車両を分解して行った「全般検査」や、トラブル発生当日の目視による検査では確認できていなかったが、平野副社長は「(亀裂が始まったとみられる)溶接部は目視できず(それ以外も)見えにくいところにあったので分からなかった」と釈明した。

 JR西は今後、超音波探傷検査を実施し、台車の見えにくい部分や内部の傷の確認の徹底を図るとともに、川崎重工業と協議して製造工程の改善などを検討したいとしている。

 一方、一連の問題では異音や異臭など約30件の異常を乗務員らが確認しながら運行を継続させていたJR西日本の対応の不備も指摘された。会見で、来島社長は「(乗客の)不安を払拭できるように社員が非常時でも平時においても安全確保の行動ができるようにしていく」と述べた。