伊総選挙、反既成勢力が躍進 3陣営過半達せず連立模索

 4日投開票のイタリア総選挙では、反エスタブリッシュメント(既成勢力)政党が躍進した。有権者は長引く景気悪化や増税、移民流入を理由に、既存の主要政党を拒否し、この結果、同国政治の行方は混沌(こんとん)としている。

 5日午前3時(日本時間同日午前11時)時点で、総選挙の勝者とみられるのはユーロ懐疑派の「五つ星運動」と、中道右派連合の一角を成す反移民の「同盟」。

 これら両党が中道グループの票を奪ったため、中道左派を含めた3陣営のいずれも過半数に達せず、政権発足まで連立交渉が続く見込みだ。

 選挙結果の当初予測では、ベルルスコーニ元首相率いる中道右派連合が最大勢力となる見通しだが、躍進した五つ星運動とは僅差にとどまるもよう。単独政党では、五つ星運動が議会で最大政党となりそうだ。

 シンクタンク、ブリューゲルのアナリスト、シルビア・ メルラー氏は「五つ星運動が連立政権の軸になるだろう」と指摘。「責任能力があることを五つ星運動が示すか、民主党ないし同盟との協議開始を選択するか。イタリア経済の短期的な将来はこれらにかかっている」と説明した。

 またベルルスコーニ氏率いるフォルツァ・イタリアが支持率で主要提携相手の同盟を下回ったことも混乱に拍車をかける見通しだ。同盟のサルビーニ党首の反移民の訴えは工業が盛んな豊かな北部から、産業が低迷している南部まで全国的に支持を得た。一方、ベルルスコーニ氏は支持率で同盟を上回れば、首相指名のキングメーカーとして動く考えだったが、同盟に及ばず、断念せざるを得なくなった。(ブルームバーグ Giovanni Salzano)