相続税逃れに「一般社団法人」設立? 不動産の付け替えが半永久的に…政府も規制案を提出 (1/2ページ)


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 平成20年の公益法人制度改革で設立が容易になった一般社団法人を“隠れ蓑(みの)”に、相続税を節税する「課税逃れ」が広がっている疑いが強まっている。家族で運営を支配する一般社団法人に不動産などを所有させ、実質的に子供や孫に相続させる手法。法人の代表者が子孫に代わっても不動産の所有権は法人のままなので相続税はかからない。法人設立を節税目的とあからさまに表現するケースもあるといい、税の公平性を確保するため、政府は来年度の税制改正で事例によって課税などの対策を講じることを決めた。

 半永久的にゼロ

 「一般社団法人には相続税がかかりません」「役員は親族のみでOK」

 これは、ある税理士法人のホームページに書かれた売り込みの文句だ。一般社団法人を使った節税策をストレートに持ちかけている。

 一般社団法人は、同種企業などでつくる業界団体や、スポーツ・芸術などに関する互助団体が、団体全体の資産をきちんと管理するために設立されるのが一般的。だが最近は節税目的の一般社団法人が増えているとみられる。

 昨年、大阪市内で設立されたある一般社団法人は、登記の法人目的欄に「(自分たち)夫婦の財産または遺産の管理及び活用、さらには夫婦が死去した後の紛争の回避をもって将来の相続人と親族たちの生活安定を目的として設立する」と記載した。近畿税理士会調査研究部の担当者は「節税目的を隠そうともしていない。ここまであからさまなのも珍しい」と指摘する。

 同税理士会によると、実数は不明だが、一般社団法人を利用した課税逃れが広がっている恐れがあるという。家族で運営を支配する一般社団法人に不動産などを所有させる手法を繰り返せば半永久的に相続税がかからないことになるため、日本税理士会連合会の神津信一会長は昨年11月、政府税制調査会で「課税の公平上、問題となる事象」と問題提起した。

政府も危機感