国税庁長官辞任 「佐川氏の辞任遅かった」与党、事態急転に困惑

 安倍政権内では9日、佐川宣寿国税庁長官辞任に関し「遅かった。もっと早く辞任させた方が良かった」(自民党幹部)などと事態の急転に困惑する声が広がった。

 野田聖子総務相は国会内で記者団に「国会の停滞を解消しないといけない」と述べ、やむを得ないとの認識を示した。政権に打撃となったと認め「とにかく早く決着させることだ」と語った。

 自民党参院幹部は「佐川氏が辞めるくらいで、国会正常化は見通せない」と、国会運営の見通しの厳しさを吐露した。党中堅は、国有地売却を担当した職員が自殺したとみられる事態も含め「政権にとって、死者が出たダメージは大きい。こんなことになるとは誰も予想できなかった」と表情を曇らせた。

 公明党幹部の一人は、佐川氏辞任に「むしろ疑念を深める結果になるのではないか」と不安を漏らした。