第1回仙台短編文学賞の大賞に震災描いた「奥州ゆきを抄」

 仙台市の出版社「荒蝦夷(あらえみし)」などでつくる実行委員会は、東日本大震災の被災地から新たな書き手を発掘するため創設した「仙台短編文学賞」の第1回大賞受賞作に、大阪府の岸ノ里玉夫さん(58)=本名非公表=の「奥州ゆきを抄」を選び10日、発表した。岸ノ里さんは大阪府立高の教諭で、三咲光郎名での著作がある。

 受賞作は、大阪に住む語り手が、東日本大震災や阪神大震災の記憶の風化と向き合う物語。

 岸ノ里さんは「阪神大震災の体験が心に深く沈み、言葉として浮かび上がった。(受賞には)責任の重さを感じている」とコメントを出した。

 同文学賞は昨年8~12月に募集し、国内外から576作品が寄せられた。選考委員は仙台市の作家、佐伯一麦さんが務めた。大賞受賞作は「小説すばる」(集英社)などに掲載される。