ナイキにニューバランスが果たし状 日本新記録“厚底”vs職人技“薄底”の大激闘 (2/6ページ)

 ▼なぜ、有力選手がニューバランスに鞍替えするのか?

 それはなぜか。

 今年1月、シューズ職人の三村仁司さん(69歳)がNBと契約したからだ。三村さんは高橋尚子、野口みずきら五輪マラソンの金メダリストのシューズを手がけ、「現代の名工」(厚生労働省が表彰する卓越した技能者)や「黄綬褒章」を受賞している。池井戸潤原作のテレビドラマ「陸王」に登場したカリスマシューフィッターのモデルとも言われている。そんな三村さんがNBと契約したため、多くの選手がNBを履くようになったのだ。

ニューバランスとオプション込みで計8年の大型契約をした三村氏

ニューバランスとオプション込みで計8年の大型契約をした三村氏

 正確にいうと、NBは三村さんが代表を務める会社「M.Lab(ミムラボ)」と5年間(オプションで+3年)のグローバル・パートナー契約を締結した。三村さんは長年勤めていたアシックスを定年退職後、アディダスの専属アドバイザーを経て、充電期間の間に4社ほどからオファーがあったという。そのなかでNBを新たなパートナーに選び、今後はトップアスリートに別注シューズを提供するとともに、新商品の開発にも携わることになる。

 近年、NBは国内ランニング事業での売り上げを伸ばしており、同社によれば過去4年間の平均成長率は19.6%。2020年には国内シェアで「20%」(現在は約15%前後)という目標を定めるなど、今後はランニングで「ナンバー1になっていく」と息巻いている。そのため、弱点であったコア層のランナーへのアプローチが課題になっていた。そこに登場したのが伝説のシューズ職人、三村さんというわけだ。

金メダルランナーの靴を手掛けた職人を引き抜いた