ドローン使ったAED搬送 全国初の大規模実証実験 静岡県 (2/2ページ)

ドローンで運ばれたという想定で行われたAEDの模擬訓練=13日、袋井市
ドローンで運ばれたという想定で行われたAEDの模擬訓練=13日、袋井市【拡大】

  • 実証実験のためエコパスタジアム上空付近を飛行する小型ドローン=13日、袋井市

 広いスポーツ施設や公共施設の場合、設置してあるAEDを患者のいる場所に届けるまでに時間がかかるためと考えられ、機動力の高いドローンを活用できれば救命率アップにつなげられる可能性がある。

 この日の実証実験は、エコパの管理事務所前から690メートル離れた公園内で突然人が倒れたとの想定で実施。当初予定していた大型ドローンを使っての実験は機材トラブルで中止されたが、小型ドローンでAEDを搭載せずに実験を行い、運搬にかかる時間を計測した。

 前日までの予備実験では徒歩とカートを使った場合も併せて計測。結果はドローンが2分10秒で、カートが2分58秒、徒歩が4分5秒だった。

 実験を終え、同財団「減らせ突然死プロジェクト実行委員会」の太田修司委員は「ドローンを使えば690メートルの距離を約2分で運べ、人の足に比べて移動距離を2倍以上延ばせることが分かった。AED搭載ドローンの活用は現実味を帯びてきた」と話した。(田中万紀)