和歌山県田辺市と南方熊楠顕彰会は14日、第28回南方熊楠賞に皇学館大大学院特別教授で宗教学が専門の桜井治男氏(69)を選んだと発表した。授賞式は5月12日。
選考委員会は「神社合祀の事情を明らかにし、ほとんど注目されていなかった合祀後の地域社会の様相や祭礼行事の持続と変容を解明した」と評価した。
桜井氏は「熊楠は天・地・人の諸事情を注意深く見つめ、考えを巡らせた。私も地域に密着しつつ、小さな森の姿を丹念に見続けることで、新たな視野を広げていきたい」とのコメントを出した。
南方熊楠賞は平成3年度から始まり、受賞者は桜井氏で31人目。