「復興拠点」の除染を開始、福島・大熊町 最大460棟を解体へ (1/2ページ)

福島県大熊町立大野幼稚園グラウンドで除草を行う作業員たち=14日午前、福島県大熊町下野上地区(内田優作撮影)
福島県大熊町立大野幼稚園グラウンドで除草を行う作業員たち=14日午前、福島県大熊町下野上地区(内田優作撮影)【拡大】

 環境省は14日、東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く福島県大熊町の帰還困難区域で、再び居住を可能にする「特定復興再生拠点」(復興拠点)整備に向けた除染作業を始めた。復興拠点の整備計画に基づく除染開始は、昨年12月の双葉町に続き2例目。

 この日は、大熊町下野上地区にある町立大野幼稚園で、作業員7人が背丈ほどに生い茂った草を刈り取った。今後、重機で表土を剥ぎ取り、土を入れ替える。町は今後、この土地の用途を検討するという。同地区は、居住・営農ゾーン(510ヘクタール)と、産業・交流ゾーン(100ヘクタール)が整備される予定。

 また、復興拠点内にある建物の解体にも近く着手する。これまでに190棟の解体申請があり、最大460棟を解体する予定だ。

 同町の帰還困難区域は、町面積の約6割に当たる約4900ヘクタール。このうち約860ヘクタールを復興拠点として整備する。環境省などは平成34年春の避難指示解除を目指しており、JR大野駅周辺は、常磐線の全線開通に合わせて、32年3月までの先行解除をさせたい考え。復興拠点内には、帰還住民1500人を含め計2600人の居住を目標としている。

 作業は当初、9日に予定されていたが、大雨で土がぬかるみ、汚染土が拡散するおそれがあったため、延期されていた。

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