無視された設計、優先された「現場判断」 新幹線台車亀裂と日航機事故にある共通点 (1/6ページ)

 1000人以上の死者が出る危険性があった

 本当に大丈夫なのだろうか。新幹線の台車に亀裂が見つかった問題に対するJRの対応のことだ。

 昨年12月、新幹線のぞみの台車に破断寸前の亀裂が見つかった問題で、JR西日本は2月28日、川崎重工業が台車を製造した際、鋼材を削り過ぎて強度が保てず、大きな亀裂につながったとの調査結果を発表した。

 JR西日本の説明によると、台車枠の厚さは加工後7ミリ以上必要とされているが、問題となった台車枠の最も薄い箇所はこの基準よりも2.3ミリ薄い4.7ミリだった。

 台車枠の底面の鋼材を削りすぎた理由について、川崎重工業側は「作業指導票では鋼材を削ってはいけないと規定されているが、班長は別の仕上げ基準を拡大解釈して0.5ミリまでは削っていいと勝手な思い込みで支持した」と説明し、マニュアル違反を認めている。

2018年2月28日、東海道新幹線の台車に亀裂が見つかった問題について説明する川崎重工の小河原誠常務取締役(左)。右は金花芳則社長。(写真=時事通信フォト)

2018年2月28日、東海道新幹線の台車に亀裂が見つかった問題について説明する川崎重工の小河原誠常務取締役(左)。右は金花芳則社長。(写真=時事通信フォト)

 一方、JR西日本は「他の車両で破断に至るような傷は確認されていない。運行には支障はない」とし、順次台車を交換するという。

 事故は想定外のところで起きる。運行しながら台車を交換していくやり方で本当に大丈夫なのだろうか。

 鋼材の厚さが基準未満の川崎重工業製の台車は、JR西、東海で合わせて約150台にも上る。運行中、何かの拍子で亀裂が生じ、それが一気に大きな亀裂になる危険性はないのだろうか。その亀裂が原因で台車が破損すれば、間違いなく大事故につながる。

 乗車率100%だと、車両の型にもよるが、乗客数は軽く1000人を超える。言い換えれば1000人以上の死者が出る大惨事が起きる危険性があるのだ。新聞各紙の社説も台車の削りすぎの問題を一斉に取り上げた。しかしどの社説も追及が甘い。

「安全の根幹にかかわる製造ミス」