認識のグレーゾーンを探す 世界の文字で「遊ぶ」前澤知美さん (1/3ページ)

ひらがなとアラビア文字を解体してパターン化
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【安西洋之のローカリゼーションマップ】

 前澤知美さんという英国・リバプールで活動しているグラフィックデザイナーに注目している。彼女はアルファベットやひらがな、あるいはアラビア文字に至るまで、文字で「遊んでいる」。この遊び方が面白い。

 まず文字の解体作業を行う。例えば「ありがと」という文字列があれば、「あ」「り」「が」「と」のそれぞれを解体するのだが、そのルールは書きながら、一息つくところでストップし、それを一つの要素として抽出するのである。

 これと同じ作業をアルファベットやアラビア文字に対しても行っていく「ありがと」とアラビア語の「ありがと」を解体し、それらをもう一度パターンとして並べ直した。それらにカラーリングも施している。(画像をご覧頂かないと解体された姿が分かりにくいので、そちらをご覧ください)。

 似たようなパターンが異なった言語にあることに気づく。

 一息を基準にするのだから、書き順が重要になる。日本語を外国語として学ぶ人は、書き順よりも文字を図形として認識する傾向がある。そのため、この解体の仕方はそれなりに文字を書く習慣を知らないと難しい。

 しかし、日本語だけに書き順があるわけではない。アルファベットやアラビア文字も筆記体になると、書き順は大切である。だから、どういう崩し方になると筆記体になるかを見極めるのが、この遊びの楽しみの一つになる。

 崩すといっても、筆記体はカジュアルダウンではない。服装ではいえばドレスアップにあたる。その鍵を前澤さんは探るのだ。

異文化へのコンプレックスとは無縁