森友問題の佐川氏が注目されたのは「身長」だけ? 本筋と違うところが悪目立ちする謝罪 (1/4ページ)

辞任の意向を麻生太郎財務相に伝えに向かう佐川宣寿国税庁長官(当時)=9日、東京都千代田区の財務省(春名中撮影)
辞任の意向を麻生太郎財務相に伝えに向かう佐川宣寿国税庁長官(当時)=9日、東京都千代田区の財務省(春名中撮影)【拡大】

【ニッポンの謝罪道】 森友学園問題にまつわる証人喚問を終えた元国税庁長官(元財務省理財局長)・佐川宣寿氏の名前をネット検索すると、奇妙な予測ワードが登場する。それは「身長」である。そして、いわゆる「トレンドブログ」と呼ばれる類のサイトには佐川氏の身長にまつわる情報が書き込まれる。

 なーにが「トレンド」だと言いたくなるようなパクリだらけのクソサイト揃いなのだが、これらのサイトは何らかの事件が報じられた瞬間に片っ端から情報を集め、写真を無断転載し、「○○かもしれませんね」「今のところ、情報ははっきりしていません」「新しい情報が入り次第また報告します」などと書く。この手のクソ情報が検索で上位にくるものだから、煩わしいったらありゃしない。グーグルさん、なんとかしてくれ~。

 「佐川宣寿 身長」で検索した場合、上位にくるクソサイトの記事タイトルを紹介しよう。

〈佐川宣寿の学歴や略歴・身長は?自宅(家族)やパワハラも判明!〉

〈佐川宣寿前長官の身長や学歴は?結婚や子供の噂!自宅やかつら疑惑も〉

〈佐川宣寿は身長が低い?髪がカツラ疑惑や自宅の住所がバレてヤバい!〉

 より下世話で過激な内容を盛り込みまくったタイトルだが、「学歴」「身長」「パワハラ」「結婚」「かつら」「自宅」「住所」「家族」といった好奇心を煽るようなキーワードをタイトルにちりばめ、アクセス稼ぎを目論んでいる。プライバシーに余計に入り込むことまでしていて実にけしからん。佐川氏本人からも、中身をパクられたメディアも一斉にこいつらを訴える方向に持っていってほしいものだが、本稿では「謝罪会見をしたにもかかわらず、肝心の謝罪内容があまり頭に残らず、余計な印象だけが残ってしまった謝罪」について振り返る。

◆謝罪会見は地味に、淡々と、とにかく真摯に

 3月9日、財務省近畿財務局の職員が自殺したことが報じられた夜、佐川氏は大勢の報道陣にもみくちゃにされながら財務省の廊下を歩き、謝罪も含めた辞任会見に臨んだ。歩いている時は、かつてオウム真理教事件で麻原彰晃を弁護した横山昭二弁護士がもみくちゃになって「バカモーン!」「やめてぇ~」と叫んでいた様子を一瞬思い出した。そして会見が開始。その瞬間に「えっ?」と思ったのだ。

過去に話題になった謝罪