【論風】米政府機関が危機を警告 現実の現象としての温暖化 (2/3ページ)

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 筆者が一番気になった海面位のデータをみると、4つの異なったソースのデータが示されているが、いずれも一貫して上昇しており、その値は1900年から現在までに7~8インチ(1インチは約2.5センチ)だが、最近は少し加速して93年から現在までに3インチの上昇であるという。確かにこうした現実の温暖化の進行を裏付けるさまざまな数値の変化をみていると、温暖化問題に以前から強い関心を抱いている筆者でも、ぞっとした気分にならざるを得ない。

 このように、この報告書は温暖化を将来起こる問題とみるのではなく、すでに現在地球上で進んでいる問題である、という認識である。そして、自然の変化の中では、このような温暖化を引き起こす可能性があると考えられる要因はどこにもみつからない。一時よく取り上げられた太陽放射の変化は過去の推移をみると、とても温暖化の原因とはいえず、人間活動がこの温暖化の進展を説明できる唯一の要因である、とこの報告書は強調している。

 「ハイエイタス」を否定

 この話をすると、ひょっとすると人によっては、首をかしげて、そうかなあ、今世紀に入ってから地球の気温が停滞して、温暖化は実は起こっていないのではないか、という説があったではないか、というかもしれない。

この疑問もわかるが…