【第27回地球環境大賞】(4-4)

レセプションで乾杯の音頭をとる前回大賞を受賞した富士通の佐々木伸彦副会長(左)=9日、東京・元赤坂の明治記念館
レセプションで乾杯の音頭をとる前回大賞を受賞した富士通の佐々木伸彦副会長(左)=9日、東京・元赤坂の明治記念館【拡大】

  • レセプションにご臨席された秋篠宮ご夫妻=9日午後、東京・元赤坂の明治記念館

 ■秋篠宮ご夫妻と歓談の輪広がる

 第27回「地球環境大賞」では、会場となった明治記念館の中庭に受賞者が集まり、ご臨席された秋篠宮ご夫妻に、自社の受賞理由や環境技術を説明した。授賞式後のレセプションには、受賞者に加えて経済界などから多数の関係者が出席し、秋篠宮ご夫妻を囲む形で歓談の輪が広がった。

 特にご夫妻は環境技術や製品に対するご関心が高く、踏み込んだご質問が相次いだ。

 サッポロホールディングスはタイでバイオエタノールの生産技術を確立した。殿下と紀子さまはタイへのご関心が高く、同社の尾賀真城社長によると、(パイロットプラントの)具体的な場所や、キャッサバ以外の原料でも対応できるかなどについて尋ねられたという。

 YKKの吉田忠裕会長CEOは「殿下は自然エネルギーを利用する次世代集合住宅について、大変お詳しい様子だった」と話した。

 東芝ライテックには、大幅な消費電力削減を実現したことについて技術的な質問が寄せられ、「新しい技術の開発は難しいが『ぜひ広めてほしい』とのお言葉をいただいた」(平岡敏行社長)。

 九州電力の貫正義会長は、再生可能エネルギーの将来性などについて説明した。秋篠宮殿下は、五島列島(長崎県)で計画が進む潮流発電の将来性や太陽光発電の効率性に興味を抱かれていた。

 また、紀子さまは日立製作所鉄道ビジネスユニットが実用化したエネルギー消費量の少ない新しい溶接技術と、従来の技術との違いについても強いご関心を示された。

 今回の受賞を機に、環境対策に一段と弾みをつけたいという声も聞かれた。

 日本軽金属ホールディングスの岡本一郎社長は受賞したノンフロン断熱パネルについて、「衛生面も含めてさらに技術を向上させ、用途を広げていきたい」と述べた。積水ハウスの阿部俊則会長は、宮城県の東松島市スマート防災エコタウンが、環境だけでなく防災や雇用面でも役立っている点を強調。東北の他地域での具現化にも意欲を示していた。

 一方、出雲西高校は9日未明に島根県で発生した震度5強の地震の震源地に近いため、永島弘明校長が大きな被害を受けていないと報告すると、秋篠宮ご夫妻はほっとされたご様子だったという。

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【用語解説】地球環境大賞

 1992年、「産業の発展と地球環境との共生」を目指し、産業界を対象とする顕彰制度として創設。地球温暖化防止や生物多様性の保全、循環型社会の実現に寄与する新技術・新製品の開発、環境保全活動など地球環境に対する保全意識の一段の向上を目的としている。98年に自治体、2003年には大学や市民グループも顕彰対象に加え、企業、行政、市民が一体となった制度への充実を図った。05年から大学部門を「学校」に拡大し、小・中・高校も対象に加えている。

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