【高論卓説】日本のリサイクル・リユース技術 得意とする土俵でモノの価値向上 (1/2ページ)

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 メモリー半導体のDRAM、液晶パネル、有機EL、そして車載用リチウムイオン電池(RIB)…。日本発の技術を含め、かつてはわが国が世界を圧倒していたのに、気がつけば韓国と中国が中心となっているケースが、バブル崩壊以降に相次いできた。

 要因は「事業拡大に伴い兆円単位の投資が必要になったとき、日本企業は踏み切れなかったのに対し、韓国の大手財閥や中国企業は投資した」(産業革新機構の志賀俊之会長)、「日本企業は、韓国と中国の企業をなめていた」(電機メーカー首脳)、さらにはリストラされた日本人技術者が韓国企業に転職したことなど、いくつもある。

 では、これから日本企業はどうしていくべきか。重点を置く分野は、やはり環境技術だろう。天然資源の乏しいわが国では、まずはリサイクルやリユースに関わる技術開発や仕組み作りを丁寧に進め、モノの価値向上を目指したい。

 日産自動車は電気自動車(EV)「リーフ」の中古電池を再利用した電池パックの再生と販売を5月から始める。「RIBの劣化に対する懸念から、米市場をはじめリーフの中古車の再販価格は低かったが、これからは引き上げることができる」と日産の坂本秀行副社長は話す。

 2010年12月に初代が発売されたリーフは、累計販売が30万台を超える世界初の量産型EV。その電池パックは48モジュール(1モジュールにはラミネート型RIBのセルが4つ)で構成されている。

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