神鋼データ改竄問題、一部の生産拠点で検査せず捏造も 東京地検と警視庁、捜索で実態解明へ

神戸製鋼東京本社外観=25日、東京都品川区(川口良介撮影)
神戸製鋼東京本社外観=25日、東京都品川区(川口良介撮影)【拡大】

 神戸製鋼所の性能データ改竄問題で、一部の生産拠点では顧客から要求された検査自体を実施せず、捏造した数値に基づいて製品を出荷していたことが31日、関係者への取材で分かった。不正が多く発覚した銅・アルミ部門では、捏造は遅くとも平成11年ごろから始まったとみられ、東京地検と警視庁は今後、神戸製鋼本社などを家宅捜索して捏造の実態解明を進める。

 関係者によると、捏造があったのは長府製造所(山口県下関市)、大安製造所(三重県いなべ市)など。長府製造所では11年以降、作業指示書から検査の工程を削除するなどして、顧客から要求された検査を行わずに出荷していた。

 大安製造所でも22年、溶接ができているか確認する検査をめぐり、同所の機械加工室長らが打ち合わせで人員不足対策で検査を行わないことを決定。顧客の要求を満たした数値を記載して製品を出荷していた。

 神戸製鋼が今年3月に公表した最終報告書では、銅・アルミ部門で、製造拠点間の人事交流が少なく、閉鎖的な組織が背景となっていたことを指摘。以前、不正を行っていた人物がその拠点で上司となって改竄・捏造を指示したり黙認したりすることが続き、発覚が遅れる原因になったという。

 東京地検と警視庁は、こうした改竄が不正競争防止法違反(虚偽表示)に当たる疑いがあるとみて、関係者を聴取するなどして、不正の指示系統や経営陣の改竄指示の有無などについて解明を進める。