神鋼、中止指示後も改竄 工場トップが不正黙認か

神戸製鋼所の東京本社に家宅捜索に入る東京地検の係官ら=5日午前、東京都品川区
神戸製鋼所の東京本社に家宅捜索に入る東京地検の係官ら=5日午前、東京都品川区【拡大】

 神戸製鋼所の製品データ改竄(かいざん)事件で、不正の報告を受けた一部工場のトップが部下に改竄を中止するよう指示したのに、その後も続いていたことが5日、関係者への取材で分かった。トップも結果的に黙認に転じたとみられる。東京地検特捜部と警視庁は、家宅捜索で押収した資料を分析するとともに関係者を事情聴取し、改竄が続いた経緯や指揮命令系統の解明を進める。

 特捜部と警視庁は5日、東京本社(東京都品川区)、神戸本社(神戸市中央区)のほか、アルミや銅製品を生産する真岡製造所(栃木県真岡市)、大安製造所(三重県いなべ市)、長府製造所(山口県下関市)の計5カ所を不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで一斉に家宅捜索した。

 関係者によると、大安製造所の工場長(当時)は2009~11年ごろ、部下の副工場長や品質保証室長、鋳造室長らを自分の部屋に集め、不正をやめるよう指示。ところが改竄は続き、工場長もその後は指示をしなかったとみられる。神鋼が3月に公表した最終報告書は、この工場長と後任の工場長2人は「不適切行為の存在を認識していた」と認定した。

 神鋼は国内外の23工場で製品の品質データを改竄。役員経験者を含む約40人が関わったとみられている。納入先はトヨタ自動車や三菱重工業など国内外の600社以上。米司法省は神鋼側に資料の提出を要求している。