神鋼データ改竄問題 名門失墜、海外で刑事責任恐れ

神戸市中央区の神戸製鋼所神戸本社
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 神戸製鋼所の製品データ改竄(かいざん)問題に司法の手が入った。刑事責任を問われれば、名門のブランドがさらに失墜するのは必至だ。4月に刷新した新経営陣の下で再発防止に取り組み始めたばかりだが、信頼回復は出だしからつまずく。日本の捜査が、北米で抱える訴訟などに影響を及ぼす可能性も捨てきれない。

 神戸製鋼は、不正を受けて川崎博也会長兼社長(現取締役)らが引責辞任し、山口貢副社長が4月1日付で社長に就任した。山口氏は就任前の会見で、「再発防止策の実行による信頼回復をやり切る」と強調。不正の原因となった閉鎖的な風土の改善などにメスを入れつつある。

 データを改竄した問題製品の出荷先は600社以上にのぼるが、1社を除き安全検証は済んだ。目立った顧客離れもなく、2018年3月期はデータ改竄関連で利益が120億円程度目減りしたものの、鉄鋼市況回復などで連結最終損益は3年ぶりに黒字転換した。しかし依然、リスクは残る。19年3月期は450億円の最終黒字を見込むが、300億円は不動産子会社の売却益だ。しかも、データ改竄によって減少すると予想した100億円の利益は、大部分を弁護士費用が占める。販売減はほとんど織り込んでおらず、顧客離れが起きれば赤字に逆戻りしかねない。

 一方、米国やカナダでは損害賠償を求める集団訴訟を起こされており、日本での捜査次第で不利に傾きかねない。問題製品の出荷先に米航空機大手ボーイングなどが含まれる中、米司法省は本格捜査を開始。刑事罰に問われ、巨額の罰金を科される恐れもある。米国による鉄鋼とアルミの輸入制限を含め、先行きの不透明感は強まる一方だ。(井田通人)