三菱重工とJAXA、情報収集衛星打ち上げ成功 安全保障体制を強化

情報収集衛星「レーダー6号機」を載せ、打ち上げられるH2Aロケット39号機=12日午後1時20分、鹿児島県の種子島宇宙センター
情報収集衛星「レーダー6号機」を載せ、打ち上げられるH2Aロケット39号機=12日午後1時20分、鹿児島県の種子島宇宙センター【拡大】

 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12日午後1時20分、政府の情報収集衛星「レーダー6号機」を載せたH2Aロケット39号機を鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げた。衛星は予定の軌道に入り、打ち上げは成功した。

 情報収集衛星は、宇宙から地上を撮影する役割を持ち、北朝鮮の軍事施設の監視などに使われているとされる。米朝首脳会談が開かれた日、日本の安全保障体制が強化された。

 安倍晋三首相は「衛星を最大限活用し、安全保障と危機管理に万全を期す」とのコメントを発表。また衛星を運用する内閣衛星情報センターの木野村謙一所長は打ち上げ後の記者会見で、北朝鮮を念頭に「(米朝首脳会談で)言及されたことが行動に移るのか、最大の関心を持ってしっかり見ていきたい」と述べた。

 情報収集衛星は、安全保障目的に加え、災害時に被災地の画像を捉えることにも利用されている。レーダー6号機は電波を活用して夜間や悪天候のときの撮影を担う。開発費は242億円、打ち上げ費用は108億円。

 他に主に日中に撮影する光学衛星もある。現在運用しているのはレーダー4基、光学2基で、寿命を超えているものもある。レーダー6号機と2月に打ち上げた光学6号機は性能確認後に運用を始める。政府はデータ中継用の衛星を含め、10基体制を目指す。H2Aの成功は2005年の7号機から33回連続、成功率は97.4%で国産の主力ロケットの信頼性が向上した。

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【用語解説】情報収集衛星

 政府が1998年の北朝鮮のミサイル発射をきっかけに、安全保障や大災害の対応に必要な情報を集めるために導入した人工衛星。デジタルカメラに似た仕組みで主に昼間に地上を撮影する光学衛星と、電波を発して地上からの反射を捉え、夜間や悪天候でも観測できるレーダー衛星がある。開発や維持に約1兆3000億円が使われた。衛星の性能や捉えた画像、分析結果は特定秘密保護法の特定秘密に指定されている。災害発生時には撮影能力が分からないように加工した画像を公開している。