温暖化や紛争が悪影響 国連、持続可能な開発の達成状況まとめ

 国連は20日、貧困・飢餓の撲滅や環境・資源の保全など幅広い分野で掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の達成状況をまとめた報告書を発表した。多くの指標で改善が続いているものの、地球温暖化や紛争の影響で悪化した分野もあるとして、危機感を表明した。

 SDGsの達成期限は2030年。グテレス事務総長は前書きで「残された時間はわずか12年だ。直ちに行動し、行動を加速させなければならない」と訴えた。

 栄養失調状態にある人の数はここ10年以上減少傾向が続いていたが、最新の16年時点では8億1500万人で、前年から3800万人増えた。

 報告書は各地の紛争のほか、気候変動による干ばつや自然災害が主な原因だと指摘。住む場所を追われた人の数が増え、上下水道の普及に遅れが出ているのも同じ理由だとした。貧富格差の拡大や、急速な都市化に伴う環境の悪化も依然として大きな課題だ。(共同)