富士登山を「見守り」、ビーコンで位置情報を可視化 2020年の実用化目指す (1/2ページ)


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  • 富士登山者の位置情報測定に用いられるビーコン実証実験「富士山チャレンジ」でビーコンを受け取る登山者ら(日本工営提供)
  • 富士登山者の位置情報測定に用いられるビーコン実証実験「富士山チャレンジ」でビーコンを受け取る登山者ら(日本工営提供)

 静穏な火山活動が続く国内最高峰、富士山(標高3776メートル)の噴火に備え、早期救助などに役立てようと、ビーコン(電波受発信器)を使って登山者の位置をリアルタイムで測定、可視化する実証実験「富士山チャレンジ」が続けられている。平成26年の御嶽山噴火災害をきっかけに民間企業が27年からスタート。今年2月には事業化に向けて一般社団法人を設立し、32年の実用化を目指している。(川畑仁志)

 開発のきっかけは、戦後最悪の犠牲者を出した26年9月の御嶽山噴火。登山届の提出が少なく、行方不明者数の把握が難航した経緯がある。

 建設コンサルタント「日本工営」(東京都千代田区)で防災部門を担当する田中義朗さん(47)が中心になって4社が集まり、活火山の富士山でプロジェクトを開始。3年間で参加企業・団体は30まで拡大しており、田中さんは一般社団法人「富士山チャレンジプラットフォーム」の代表理事を務めている。

 実験では、富士山の富士宮口や吉田口など4登山口で、登山者に重さ約10グラムのビーコン(縦約5センチ、横約3センチ)を配布。モニターの登山者は首から下げたり、バッグやポケットに入れたりして登山を開始。ビーコン側からの電波は、各登山道の山小屋や看板など8カ所のポイントに設置したスマートフォンで受信し、登山者数や通過時間などを把握する。電波の送受信には近距離無線通信「ブルートゥース」を活用している。

離れた場所とも情報共有が可能