■今、非常にエキサイティングだ
日本ライセンス協会(LES Japan、東京都港区)の新会長に日立製作所出身で、東京理科大学の社会人向け専門職大学院で教鞭(きょうべん)をとる荻野誠教授が就任、本格的な活動を始めた。今後の活動などを聞いた。
--日本ライセンス協会とは
「世界33の地域協会と1万人以上の会員を擁する国際的な知財、ライセンスなどの関連団体LESインターナショナルを構成する日本組織。会員は約740人。技術や特許、事業開発などの活動に携わる企業の幹部、弁護士、弁理士、専門家、学術関係者らさまざまな分野の知財のプロが互いに学び合い、親睦を深める団体だ」
--新会長就任の感想を
「今、このタイミングで会長に選ばれたことは非常にエキサイティングだ。自動停止装置のついた自動車を見て分かるように、IoT(モノのインターネット化)などの登場で世界が変わることが身近に感じられ、世の中の機運が上がっている。2019年には日本で17年ぶりにLESインターナショナルの国際年次総会を横浜で開く」
--新会長としての方針を
「ライセンス屋の仕事はネゴシエーション。人と人とのかかわり合いの世界なので、この協会には(仕事場とは逆に)和気藹々(あいあい)と親交を深めようとする気風がある。だから、まずは一緒に楽しもうと声をかけたい」
--具体的な活動では
「自主組織であるワーキンググループ(WG)に協会ならではのテーマを加えて盛んにしていけたらと思う。例えばICT(情報通信技術)WGは標準化に関する契約条項を交渉する人たちで構成され、ファイナンスWGは知財を持つ企業へお金という血液を流すことに強い思いを持った人たちが新たに始めた」
--国際年次総会も大きな仕事になる
「杉村純子前会長が準備してきた。基調講演のほか、大きなテーマとしてIoT、ヘルスケア、コンテンツの分野を取り上げる。従来アジア地域では日本が教える立場だったが、今や中国やシンガポールはビジネスモデルの作り方や契約の仕方では最先端の世界にある。協会の国際的なネットワークを生かして内外の日常的な活動がさらにつながるようにしたい」(知財情報&戦略システム 中岡浩)